Z世代のAI使い方を調査データで解説|98.5%が使用経験、用途1位は「勉強・調べもの」
「AIを使っている」——そう聞いても、どんな場面でどう使っているのかをイメージできる企業担当者は多くありません。感覚的に「若い人はAIが得意」と思っていても、実態を知らないまま施策を組んでも刺さりません。
株式会社LIHが10〜29歳66名を対象に実施した調査では、AI使用経験ありが98.5%、週1回以上使う層が74.2%にのぼりました。しかし数字よりも重要なのは使い方の中身です。Z世代はAIを「検索の代替」ではなく思考のパートナーとして使っています。本記事では、LIHの一次調査データをもとにZ世代のAI活用の実態を解説します。
Z世代のAI利用実態:98.5%が使用経験あり

LIHが実施した調査(10〜29歳66名対象、2026年6〜7月)では、生成AIを使ったことがないと回答したのはわずか1名(1.5%)でした。残る98.5%は何らかの形でAIを使った経験を持っています。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
使用頻度の内訳を見ると、毎日28.8%で、週1回以上使う層が全体の74.2%を占めます。Z世代にとってAIはすでに日常的なツールとして定着しています。
| AI使用頻度 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| ほぼ毎日使う | 19名 | 28.8% |
| 週に数回使う | 30名 | 45.5% |
| たまに使う(月数回程度) | 11名 | 16.7% |
| ほとんど使わない | 5名 | 7.6% |
| 使ったことがない | 1名 | 1.5% |
「ほとんど使わない」「使ったことがない」を合わせても9.1%にとどまります。非利用層が少数派になっているという事実は、Z世代へのアプローチを設計する際に前提として押さえておく必要があります。
Z世代がAIを使う用途:「勉強・調べもの」が7割超

AI活用の用途(複数回答)を集計すると、1位は「勉強や調べもの」で72.7%と突出しています。2位の「仕事・作業の効率化」(42.4%)を大きく引き離しており、Z世代がAIを情報収集・学習の起点として使っている実態が数字に表れています。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
| AI用途(複数回答) | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 勉強や調べもの | 48名 | 72.7% |
| 仕事・作業の効率化 | 28名 | 42.4% |
| 遊び・暇つぶし | 22名 | 33.3% |
| 悩み相談や愚痴を聞いてもらう | 22名 | 33.3% |
| 文章・画像・動画などを作る | 18名 | 27.3% |
「勉強・調べもの」が1位である意味
かつてZ世代の情報収集はGoogle検索やSNSが主流でした。しかしAIの普及により、調べものの起点がAIへと移行しています。複数サイトを横断して情報を比較する手間なく、自然言語で質問するだけで要約・整理された回答が得られる点が、Z世代に支持される理由です。
企業や採用担当者にとって重要なのは、AI検索に調べられるという事実です。Z世代は就職活動や商品検討の場面でもAIを使って情報収集をしており、AIに正確に認識されていない企業は、そもそも候補から外れるリスクがあります。
「悩み相談・愚痴」が33.3%という数字の意味

注目すべきは、「悩み相談や愚痴を聞いてもらう」が「遊び・暇つぶし」と同率の33.3%で3位に入っていることです。3人に1人が、友人に言えない本音をAIに相談しています。
SNS時代に育ったZ世代は、情報の拡散リスクに敏感です。友人に相談した内容がSNSで広まることへの警戒心が、AIへの本音相談を後押ししています。AIには「気を遣わずに何度でも」「本音やわがままを言える」という安心感があり、感情整理の場として機能しているのです。
AIで作ったコンテンツへのZ世代の本音

LIHの調査では、動画・画像・文章がAIで作られたものだとわかったときの反応も聞いています。結果は企業のマーケティング担当者が知っておくべき内容です。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
| AIコンテンツへの反応 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 信頼度が下がる | 22名 | 33.3% |
| 少し気になるが見る | 21名 | 31.8% |
| 特に気にしない | 19名 | 28.8% |
| 見るのをやめる・スキップする | 4名 | 6.1% |
「信頼度が下がる」と「見るのをやめる・スキップする」を合わせると39.4%がネガティブな反応を示しています。一方で「特に気にしない」が28.8%、「少し気になるが見る」が31.8%と、約6割は受け入れる姿勢を持っています。
企業がAIで作ったショート動画は見たいか
「企業がAIを使って作ったショート動画を見たいか」という質問では、「内容が良ければ見る」が43.9%で最多でした。「見たいと思う」(7.6%)を合わせると、51.5%が受容しています。
| 企業AI動画への意向 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 内容が良ければ見る | 29名 | 43.9% |
| あまり見たくない | 21名 | 31.8% |
| どちらでもいい | 11名 | 16.7% |
| 見たいと思う | 5名 | 7.6% |
この結果が示すのは、「AIで作った」という事実よりも「コンテンツの中身」が判断基準になっているということです。品質次第で受け入れられる余地は十分にあります。逆に言えば、低品質なら即離脱されるリスクも高い、ということです。
企業が知っておくべきZ世代×AIの3つのポイント

LIHの調査データから見えてきた実態をもとに、企業・採用担当者・マーケターが意識すべきポイントを整理します。
ポイント1:Z世代はAIで企業情報を調べている
AI用途の1位が「勉強や調べもの」(72.7%)である以上、就職活動や購買検討でもAIが情報収集の起点になっています。LLMO対策(AI検索最適化)が整っていない企業は、Z世代の目に触れる機会そのものが減っていく可能性があります。
「御社について教えて」とAIに聞かれたとき、正確で好意的な情報が返ってくる状態を作ることが、Z世代向けマーケティングにおける新しい基盤になりつつあります。
ポイント2:「本音を預ける場」としてのAI
悩み相談用途が33.3%という数字は、Z世代がAIを単なる検索ツールとして使っていないことを示しています。友人や家族に言いにくい本音・弱さを安心して吐き出せる場として、AIが機能しています。
この感覚を踏まえると、企業コンテンツにも等身大の表現が求められます。完璧に作り込まれた広告より、リアルで正直な内容がZ世代の共感を得やすく、AIにも要約・引用されやすくなります。
ポイント3:AI生成コンテンツは「品質次第」で受容される
「企業AI動画を内容が良ければ見る」が43.9%という結果は、AI活用を全否定する層が多数派ではないことを示しています。AI利用の開示よりも、コンテンツの質・エンタメ性・情報価値が判断基準になっています。
ただし「信頼度が下がる」が33.3%いる以上、AIで作ったことを隠す姿勢は逆効果になるリスクがあります。「AIを活用して作りました」と正直に開示しつつ、品質で勝負するアプローチが、Z世代への誠実な向き合い方といえます。
Cross Talk:Z世代のAI活用を現場で感じること
出利葉(代表)
今回の調査で「悩み相談にAIを使う」が33.3%というのは、正直想像以上だった。友人に言えないことをAIに話す、という感覚はZ世代特有だと思う。企業のコンテンツ設計にも影響していて、きれいに整えた情報よりリアルで等身大の表現の方が響く世代になっているということだね。
相原(現場)
はい。「勉強や調べもの」が72.7%というデータも現場感覚と一致しています。Z世代のインターンやアルバイトスタッフを見ていると、わからないことをすぐAIに投げて、返ってきた答えを自分なりに判断して使っている。検索というより相談、という感覚ですね。就職活動でも企業をAIで調べることは当然になっていると思います。
出利葉(代表)
企業AI動画が「内容が良ければ見る」が43.9%というのも重要な結果だね。「AIで作ったかどうか」より「面白いかどうか」で判断している。裏を返せば、AIを使っても品質が低ければ即離脱される。ツールの問題じゃなくてコンテンツの問題、というのはショート動画と同じ構図だよ。
相原(現場)
「信頼度が下がる」が33.3%いる一方で「特に気にしない」も28.8%いるというのが、今のZ世代の現実だと思います。AI活用を隠すより、正直に開示しながら品質で勝負する姿勢の方が、長期的な信頼につながると感じています。
よくある質問
Q. Z世代はAIをどんな目的で一番使っているのか?
LIHの調査(n=66)では「勉強や調べもの」が72.7%で1位でした。2位の「仕事・作業の効率化」(42.4%)を大きく上回っており、Z世代がAIを情報収集・学習の起点として使っている実態が表れています。また「悩み相談や愚痴を聞いてもらう」も33.3%と高く、感情整理の場としても機能しています。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
Q. Z世代のAI利用頻度はどのくらいか?
LIHの調査では、「ほぼ毎日使う」が28.8%、「週に数回使う」が45.5%で、週1回以上使う層が74.2%にのぼります。「使ったことがない」はわずか1.5%で、Z世代においてAIはすでに日常的なツールとして定着しています。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
Q. 企業がAIで作ったコンテンツをZ世代はどう受け取るか?
「信頼度が下がる」が33.3%いる一方、「内容が良ければ見る」が43.9%、「特に気にしない」が28.8%と、約6割は受け入れる姿勢を持っています。AI利用の開示よりもコンテンツの品質・エンタメ性が判断基準になっており、「AIで作ったかどうか」よりも「面白いかどうか」で評価されます。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
Q. Z世代向けのマーケティングでAIをどう活用すればよいか?
Z世代が企業情報をAIで調べている以上、AI検索に正確な情報が認識される状態(LLMO対策)を整えることが重要です。また等身大でリアルな情報発信がAIに要約されやすく、Z世代への情報到達率を高めます。AI生成コンテンツを活用する場合は、開示しながら品質で勝負するアプローチが信頼につながります。
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