「VPNを使ってみたいけれど、無料のものでも大丈夫なのだろうか」と迷っていませんか。
結論から言うと、無料VPNで足りるかは用途と通信量で決まります。公衆Wi-Fiの通信保護が目的なら無料プランで成立する余地があり、動画配信や業務利用まで広げると現実的に足りません。
VPN(Virtual Private Network)は端末と接続先の間に暗号化された通信経路を作り、通信内容を第三者に読み取られにくくする仕組みです。
この記事は2026年9月時点の各社公式サイトの記載をもとに、無料で使えるVPN13サービス(無料プランを持つ9サービス+返金保証で実質無料に試せる有料VPN4サービス)を条件別に整理しました。掲載は順不同で、順位付けはしません。他の比較記事が踏み込まない運営会社・所在国・第三者監査の有無まで列に入れています。
この記事でわかること(結論)
- 公衆Wi-Fiの保護が目的で月2GBに収まる → 通信量制限型(Windscribe・TunnelBear・PrivadoVPN・Avira Phantom VPN)
- 通信量を気にせず使いたい → 上限なしと明記する完全無料型(Proton VPN・hide.me・Hotspot Shield)
- 接続国を選びたい・動画配信・業務で使う → 無料では足りず、返金保証のある有料を短期で試す
- 条件を横並びで見たい → 記事中盤の「一覧比較表」へ(目次からジャンプできます)
無料VPNとは|無料で使える3つのタイプ
無料VPNといっても提供のされ方は同じではなく、公式サイトの記載では大きく3つに分かれます。
1つ目は完全無料型です。期限も通信量の上限も設けないと公式が明記しているもの。Proton VPNは「Unlimited and free forever」「No data or speed limits」[1]、hide.meは試用ではない恒久の無料プランとして「Lifetime free VPN, not a trial」[2]と記載しています。
2つ目は通信量制限型です。月あたりの上限があり、超えると使えなくなるか速度が絞られます。Windscribe・TunnelBear・PrivadoVPN・Avira Phantom VPNがこの型で、枠は月500MBから30日ごと10GBまで幅があります(条件は後述の一覧表)。
3つ目は学術・非営利型です。筑波大学とソフトイーサの共同研究「VPN Gate」は2013年3月8日開始の学術実験サービスで、商用プランを持ちません[3]。
タイプが違えば期間も品質も変わります。「無料」の一語で横並びに比べないことが出発点です。

無料VPNと有料VPNの違い|通信量を「実際に何ができるか」に換算する
無料と有料の差が最も出るのは通信量です。
← 横にスクロールできます →
| 比較項目 | 無料VPNの一般的な状態 | 有料VPNの一般的な状態 |
|---|---|---|
| 通信量 | 月2GB前後の上限があるものと、上限なしと明記するものに分かれる | 上限なしが基本 |
| 同時接続台数 | 1台のものが多い | 複数台(台数はサービス次第) |
| 接続国の選択 | 選べないものがある(TunnelBearの無料プランは選べない) | 選べる |
| 速度 | 制限の記載がなくても実効速度は保証されない | 上位プランほど余力がある |
| サポート | 限定的(hide.meは無料でも24時間サポートと記載) | 通常提供 |
無料と有料を分けるのは機能の有無より、枠の大きさと選べる自由度です。
月2GBは実際にどれくらい使えるのか
「月2GB」は動画に換算すると輪郭が出ます。Netflixは公式ヘルプセンターで1時間あたりの目安を、低画質0.3GB・標準画質0.7GB・高画質1〜3GB・4K 7GB(いずれも最大)と公開しています[4]。
月2GBの枠は標準画質でおよそ2.8時間分、4K画質なら20分に届きません。Windscribeの月10GB枠なら低画質で30時間を超える計算です。
この換算はNetflix公式の目安値からの試算で、実際の消費量は環境により変わります。
速度が遅いと感じる理由
無料プランは利用者が集中しやすく、サーバーに余力がない時間帯があります。暗号化と迂回の分だけ経路も長くなるため、VPNを通した時点で直結より遅くなるのが通常です。速度制限の記載がないことは、速度が出る保証ではありません。

無料VPNの選び方3つの基準と「無料で足りるか」判定フロー
無料で足りるのかを先に決めたほうが早く終わります。
「無料で足りるか」判定フロー(3つの質問)
質問1|何に使いますか
- カフェや空港の公衆Wi-Fiで通信を保護したい → 無料でも成立する可能性があります(質問2へ)
- 海外から日本のサイトを見たい/日本から海外のサービスを使いたい → 接続国を選べるプランが必要。TunnelBearの無料プランのように国の選択が有料機能なら成立しません(海外から日本のサイト・動画をVPNで見る方法)
- 動画配信を日常的に見たい → 通信量で先に破綻します。有料が前提です
- 業務データや顧客情報を扱う → 無料プランは推奨できません。有料か、会社が用意した環境を使ってください
質問2|月にどれくらい通信しますか
- 月2GB以内(メール・地図・検索・SNSの閲覧が中心) → 通信量制限型で足ります
- 2GBを超える見込み → 上限なしと明記しているサービスか、有料を検討します
質問3|どれくらいの期間使いますか
- 旅行や出張の数日〜2週間だけ → 無料プラン、または有料の返金保証期間の利用が現実的です
- 継続して使う → 無料プランの制限が毎月効いてきます
3問すべてで「無料でよい」に着地したなら、この先の一覧から選べば十分です。1つでも有料側に振れたなら、月額の安い有料VPNを実質コストで比較するほうが早く決まります。

基準1|無料の条件(期限・通信量・機能制限)を公式で確認する
期限、通信量の上限、接続国を選べるか。この3点は公式ページに書かれています。比較サイトの数値をそのまま信じないでください。
基準2|運営会社と所在国を確認する
VPNは通信のすべてが事業者のサーバーを経由します。誰が運営し、どの国の法律の下でデータを扱うのかは、無料か有料かより重要です。明記の有無は一覧表の該当列で比較できます。
基準3|ログの扱いと第三者監査の有無を確認する
「ログを保存しない」と書いてあるかではなく、その主張が外部の監査を受けているかで確度が変わります。Proton VPNはSecuritumの監査を2022年から毎年、TunnelBearはCure53の年次監査を9回と公式に記載しています(実施年は一覧表)。読み方はノーログVPNとは|第三者監査で見抜く選び方で整理しています。
【一覧比較表】無料で使えるVPN9サービスの条件と運営体制
選定方法:日本語で申し込め、公式サイトに無料プランの条件が明記されている9サービスを母集団とし、2026年8月18日から19日(Avira Phantom VPNのみ8月26日)にかけて確認しました。日本語で申し込めないもの、無料条件の記載がないもの、提供を終了したものは対象外です。掲載は順不同で、順位付けも点数化も行いません。比較軸は4点(通信量・同時接続・運営会社と所在国・第三者監査)に固定し、全社を同じ定義で揃えました。記載のない項目は推定せず「記載なし」とし、第三者の記事にある数値は載せていません。
← 横スクロールして比較できます →(表は6列あります。スマホでは1列目「サービス」を固定して横スクロールできます)
| サービス | タイプ | 無料プランの通信量 | 同時接続 | 運営会社・所在国 | 第三者監査 |
|---|---|---|---|---|---|
| Proton VPN | 完全無料型 | 上限なしと明記 | 1台 | Proton AG/スイス(ジュネーブ) | Securitum・2022年から毎年、2026年で5回目 |
| hide.me | 完全無料型 | 上限を設けないと明記 | 公式ページに記載なし | 公式ページで確認できず | 実施の記載あり。監査法人名・実施年は記載なし |
| Hotspot Shield | 完全無料型 | 上限なしと明記 | 1台 | 公式ページに記載なし | 公式ページに記載なし |
| Windscribe | 通信量制限型 | 月2GB(メールアドレス確認で月10GB) | 公式ページで確認できず | Windscribe Limited/カナダ(トロント) | Packetlabs(2024年6月)ほか |
| TunnelBear | 通信量制限型 | 月2GB | 公式ページで確認できず | 公式ページで確認できず | Cure53・年次監査、8回目2024年10〜11月/9回目2025年 |
| PrivadoVPN | 通信量制限型 | 30日ごとに10GB(使い切ると1Mbpsに制限) | 1接続(公式サポート記事の記載。無料VPNページとは表記が一致しない) | Privado Networks AG/スイス(ツーク) | 公式ページに記載なし |
| Avira Phantom VPN | 通信量制限型 | 月500MB(Aviraへの登録で月1GB) | 公式ページに記載なし | Avira Operations GmbH(Gen Digital Inc の一部)/ドイツ(テットナング) | 公式ページに記載なし |
| VPN Gate | 学術・非営利型 | 統一の上限なし(提供者ごとに異なる) | 統一の規定なし | 筑波大学+ソフトイーサ株式会社/日本 | 該当なし(学術実験) |
| ロリポップ!ゼロトラストリンク | 事業者提供の無料枠 | 公表値なし(最大6ユーザーまで無料) | 最大6ユーザー | GMOペパボ株式会社/日本 | 公表情報なし |
通信量が広いほど運営体制の情報が揃うわけではありません。並べ替えは「無料プランの通信量」「同時接続」の列見出しをクリック(またはタップ)すると行えます。
通信量無制限で使える無料VPNはあるか
上の表のとおりProton VPN・hide.me・Hotspot Shieldの3社。いずれも自社サイトでの主張で、第三者の検証結果ではありません。
{{AFFILIATE_LINK:有料VPN}} 公式サイトを見る(この表は無料プランの比較で、リンク先は有料サービスです。足りなかった通信量・選べる国・返金条件を確認できます)
無料で使えるVPNおすすめ9選|タイプ別に紹介
無料プランを持つ9社をタイプ別に紹介します。残る4サービス(返金保証で実質無料に試せる有料VPN)は次章です。各社とも一覧表と同じ4軸で向く人と他候補との差を書き分けます。
完全無料型(期限なしで使い続けられる)
Proton VPN
無料プランを「Unlimited and free forever」とし、通信量と速度の制限を設けないと明記しています。運営会社の住所まで公式の無料VPNページにあり、ノーログの主張はSecuritumの年次監査を公式ブログが裏付けます。無料プランの拠点数は記載がなく未確認です。
通信量を気にせず公衆Wi-Fiの保護を続けたい人に向き、同時接続1台のため複数端末には足りません。同じ完全無料型2社との差は、監査法人名と実施年まで公式に確認できる点です。

hide.me
試用ではない恒久の無料プランと位置づけ、データ量は「we never cap your data」、広告方針は「No Ads – Free is Free」と明記しています。ただし監査は「audited by independent security analysts」との記載にとどまり、監査法人名と実施年はありません。接続国数と同時接続台数も公式の無料VPNページで確認できません。
広告を出さない方針まで明記した完全無料型を使いたい人に向き、監査法人名・実施年や同時接続台数まで確かめたい人には向きません。その2点を公式に読み取れるProton VPNとの差です。
Hotspot Shield
公式の無料VPNページ[5]で「Unlimited bandwidth」と記載し、サーバー基盤は80カ国以上・1,800台以上としています。同時接続は1台(「Connect 1 device」)。運営会社と所在国は公式ページに記載がありません。
通信量を気にせず1台で使いたい人に向き、どの国の法律でデータが扱われるかを確認したい人には向きません。運営会社と所在国を公式に示すProton VPN・Windscribeとの最大の差がここで、監査の記載もありません。
通信量制限型(月あたりの上限がある)
Windscribe
無料アカウントは月2GBで、メールアドレスの確認により月10GBに増えると公式ナレッジベースが説明しています。本社の所在も同ページにあります。公式Ethicsページでは、広告を出さないこと・情報を第三者に販売しないことを表明しています(収益構造は後述)。
第三者監査はサーバー基盤をPacketlabsが2024年6月、デスクトップアプリをLeviathan Security Groupが2021年9月に実施と記載があります[6]。
月10GBは低画質の動画でおよそ30時間分。月2GBでは足りず、運営体制も確認したい人に向きます。運営会社と所在国、監査法人名と実施年の両方を公式で確認できるのは制限型4社でWindscribeだけです。
TunnelBear
公式の料金ページ[7]で、無料プランを「Testing and limited usage」と位置づけ、月2GBと記載しています。有料プランとの差分として公式が「Country selection(国の選択)」を挙げており、無料プランでは接続先の国を選べず、海外から日本のサイトを見る用途には向きません。第三者監査はCure53の年次監査で、8回目を2024年10〜11月に実施したと公式ブログに記載があります。
監査の回数と実施年を追える一方、運営会社と所在国は公式で確認できません。この点がWindscribe・PrivadoVPN・Avira Phantom VPNとの差です。
PrivadoVPN
公式の無料VPNページに、30日ごとに10GBを使えること、登録にクレジットカードが不要であることが記載されています[8]。
枠を使い切ると接続が切れるのではなく、次の更新日まで速度が1Mbpsに制限されます。無料アカウントは同時1接続、接続先は12都市との記載も同じ公式サポート記事にあります[9]。
ただし無料VPNページ側には端末数を「unlimited devices」とする記載もあり、同時接続の表記が公式サイト内で一致していません。
運営はスイス・ツークのPrivado Networks AG(登記番号CHE-203.001.971)と公式Imprintページに記載があります[10]。第三者監査は公式ページで確認できませんでした。
30日ごとという区切りは月単位の2社と異なり、旅行や出張など特定の期間だけ使う人に向きます。運営会社と所在国は確認できる一方、監査の記載がない点がWindscribe・TunnelBearとの差です。
Avira Phantom VPN
公式の無料VPNページに、無料版の通信量は月500MBで、Aviraに登録すると月1GBに増えると記載されています[11]。ここまでの3社より枠は小さく、公衆Wi-Fiでの短時間の利用が現実的な範囲です。
運営はドイツ・テットナングのAvira Operations GmbH(Gen Digital Inc の一部)と公式の会社概要ページに記載があります[12]。同時接続の台数と第三者監査は、公式ページで確認できませんでした。
枠は最小ですが、運営会社と所在国が公式で確認できる点は制限型4社の中でWindscribe・PrivadoVPNと同じです。監査の記載がない点はPrivadoVPNと同じです。


学術系・事業者提供の無料枠
VPN Gate(筑波大学)
冒頭で触れた学術実験サービスで、商用プランはありません。中継サーバーはボランティアが個別に提供する方式のため、通信量や速度に一律の規定がありません。向くのは仕組みを理解して試したい人で、常用の保護手段には勧められません。
ログの扱いもサーバーごとに異なり、公式サイトでは「ログ記録ポリシー: ログ最低2週間保存」と掲示されるサーバーを確認できます。ここまでの7サービスと違い、事業者VPNのような統一スペックや第三者監査の枠組みを持たないため、金融や業務ログインなど機微な通信への利用は慎重に判断してください。
ロリポップ!ゼロトラストリンク by GMOペパボ
GMOペパボが2026年7月15日に提供を開始した個人向けの無料接続サービスです。最大6ユーザーまで無料で、WireGuardベースのP2Pメッシュ通信で端末同士を直接暗号化接続します[13]。
ここまでの8サービスとは性格が異なり、自分の端末同士を安全につなぐ用途です。接続元の国を変えたり匿名性を高めたりはせず、6ユーザーまでで足りる人に向き、接続国を選びたい人の選択肢にはなりません。

実質無料で有料VPNを試す方法|13選の残る4サービスのトライアルと返金保証
「無料では足りないが、いきなり課金するのは不安」という場合、実質無料で試す方法が2つあります。無料トライアルは有料機能を期間限定で使える仕組みで、申込時に支払い情報の登録を求めるものが多く、期間を過ぎると自動で課金に移る場合があります。返金保証は、購入後に一定期間内に申請すれば全額返金される仕組みです。
この4社は、公式ページで返金保証の期間と申請条件を明記している有料VPNから選びました(2026年8月18日確認)。無料プランがないため前章の9社とは別枠で扱い、料金の比較と順位付けは行いません。
← 横にスクロールできます →
| サービス | 無料で使える方法 | 期間 | 条件 |
|---|---|---|---|
| ExpressVPN | 返金保証 | 30日間 | 新規ユーザーが対象。期間内にサポートへ連絡して申請 |
| NordVPN | 返金保証 | 30日間 | 新規購読が対象。更新後の購読とApple App Store経由の購入は対象外 |
| Surfshark | 返金保証 | 30日間 | 期間内に連絡すると全額返金 |
| CyberGhost | 返金保証 | 45日間(月額プランは14日間) | 期間内に連絡して申請 |
この表は返金保証の期間と条件だけです。料金の比較でも、サービスの優劣を示すものでもありません。
根拠はいずれも公式ページです。ExpressVPNは新規ユーザー対象の30日間、NordVPNは新規購読対象の30日間(更新後の購読とApple App Store経由の支払いは対象外)との記載です。
Surfsharkは30日間、CyberGhostは45日間・月額プランは14日間です。
数日から2週間の出張や旅行で試すなら、使う期間より長い返金期間のあるものを選びます。申請窓口はいずれもサポートへの連絡です。
無料プランと返金保証は別の仕組みで、混同すると「無料のつもりが課金されていた」という事故につながります。
{{AFFILIATE_LINK:ExpressVPN}} 公式サイトを見る(返金の申請期限と申請方法を公式ページで確認できます)
無料VPNはどうやって収益を得ているのか|4つの収益モデル
安全性は「危ないから気をつけよう」ではなく、なぜ0円で提供できるのかという構造から見ると判断の軸がはっきりします。収益の出どころは4つです。
1つ目は有料プランの収益で無料枠を賄う型です。Windscribeは公式Ethicsページに「Our Pro users are directly responsible for helping us run the business」と明記しています[14]。
Proton VPNも「Our free VPN service is supported by paying users.」と記載しています[1]。有料ユーザーが無料枠を支える構造で、無料利用者は「商品」ではなく「将来の顧客」です。
2つ目は広告表示型(アプリ内の広告収入)、3つ目は利用データの販売型(通信履歴や行動データを第三者に提供)、4つ目は学術・非営利型(VPN Gateのように研究費の枠組みで運営し、収益化を目的としない)です。
ところが、今回調査した主要サービスの公式ページには、広告表示やデータ販売を収益源にしていると自ら記載したものが1つもありませんでした。 Windscribe・hide.meは逆に広告を出さないと明記しています。
2つ目・3つ目の型はその旨を自ら書きません。だからこそ、運営会社と所在国を公式で確認できるかが実務的なふるいになります。

無料VPNは危険なのか|安全性のリスク4つ
「無料VPNは危険」という言い方は広く出回っていますが、根拠まで確認して書かれたものは多くありません。以下は本文を確認できた資料だけに基づきます。

リスク1|通信が想定どおりに暗号化されない可能性
CSIRO(Data61)・ニューサウスウェールズ大学・ICSI・カリフォルニア大学バークレー校の共同研究が、Android向けにVPN権限を持つアプリ283本を分析しています。2016年に公開された研究で、以下の数値はその時点のものです。
論文によれば、およそ84%がIPv6の通信を、およそ66%がDNSの通信をVPNのトンネルに通していません。その分の通信は保護されないまま外へ出ます。18%は暗号化を伴わないトンネリング方式でした。
出典:An Analysis of the Privacy and Security Risks of Android VPN Permission-enabled Apps(論文PDF)
対象はGoogle Playで配布されるVPN権限アプリ全般であり、本記事で紹介した各サービスを名指しで調査したものではありません。 提供元を確認せずアプリを入れるリスクとして読んでください。
リスク2|第三者のトラッキングとアクセス権限
同じ研究では75%がサードパーティのトラッキングライブラリを使用し、82%が連絡先やSMSなどへのアクセス権限を要求、38%超から何らかのマルウェアが検出されたと報告されています。対象範囲は同じです。
リスク3|ログの保存とその法域
ログの扱いは事業者の方針次第で、実効性は所在国の法律に左右されます。VPN Gateのようにサーバーごとに掲示が異なる例もあり、「VPNを使えば記録が残らない」とは言えません。詳細はVPN接続はバレる?何が誰に見えるかで整理しています。
リスク4|VPN機器そのものを狙う攻撃
IPA(情報処理推進機構)は、VPN機器の脆弱性を悪用して攻撃の中継地点にする「ネットワーク貫通型攻撃」への注意喚起を出しています[15]。これはVPN機器やルーターの脆弱性の話で、個人が使う無料VPNサービスの利用リスクとは別のテーマです。 機器やアプリを最新に保つ点は個人でも変わりません。
この研究以降、同じ規模で無料VPNアプリ全体を調べ直した公開資料は、今回の調査範囲では確認できませんでした。数値は2016年時点のものとして読んでください。
なお、日本の公的機関が「無料VPN」を名指しして注意喚起を出した資料も、今回の調査範囲では確認できませんでした。無料VPNのリスクを公的統計として語る記述を見かけたら、出典がその内容を含むか確認してください。
法的な位置づけはVPNは違法?合法?日本での法的位置づけを参照してください。

有料VPNのメリットとデメリット
判定フローで有料側に振れた人にとって、変わるのは主に3点です。
メリットは、通信量の上限がなくなる、接続先の国を選べて海外から日本のサービスも使える、複数台をまとめて保護できる、の3点。
デメリットは、費用が継続する、長期契約ほど単価が下がる設計が多く短期では割高になりやすい、有料でも安全性が保証されるわけではない、の3点です。運営会社や監査の確認手順は有料でも変わりません。
よくある3つの反論
「無料で十分では」 — 公衆Wi-Fiの保護が目的で月2GB以内に収まるなら、そのとおり無料で十分です。判定フローが1つも有料側に振れないなら、乗り換える理由はありません。
「有料は高いのでは」 — 短期利用なら、返金保証の期間内に判断すれば支払いは戻ります。長期の実質コストは月額の安い有料VPNを実質コストで比較するで扱っています。
「無料はどうせ広告まみれでは」 — 広告を出さないと公式に明記するサービスもあります(Windscribe・hide.me)。ただし明記がないことは、収益の出どころを確認できないという意味です。
国内の選択肢も増えており、ソースネクストは2026年1月27日に「トータルガードVPN」を発売しました[16]。
有料の横断比較はVPN比較おすすめ10選、費用面は月額の安い有料VPNを実質コストで比較するにまとめています。この記事では有料の順位付けは扱いません。
{{AFFILIATE_LINK:有料VPN}} 公式サイトを見る(対応台数と接続できる国を確認できます)
無料VPNの使い方|アプリ導入3ステップ
導入の流れは3つです。
STEP1|公式サイトまたは公式アプリストアから入手する 公式サイトか、App Store・Google Playで提供元を確認して入手します。検索結果の配布サイトや改造版は避けます。
STEP2|アカウントを作成する メールアドレスの登録が一般的で、Windscribeのようにその確認で無料枠が増える例もあります。
STEP3|接続先を選んで接続する 接続国を選べるサービスでは目的に合った国を選びます。選べない無料プランは自動割り当てです。
iPhone(iOS)で使える無料VPN
Proton VPN・Hotspot Shield・ロリポップ!ゼロトラストリンクが公式ページでiOS対応を明記しています。VPN構成プロファイルの追加許可を求められます。
Androidで使える無料VPN
Proton VPN・Hotspot Shieldが公式ページでAndroid対応を明記しています。配布経路が広い分、提供元が不明なアプリのリスクは上の研究の指摘そのものです。公式サイトのリンクをたどってください。
パソコン(Windows・Mac)で使う場合
Proton VPNはWindows・macOS・Linux・Chromebookに、Hotspot ShieldはmacOS・Windowsに対応と記載しています。


無料VPNのよくある質問
Q1. 無料VPNは本当にずっと無料で使えますか
サービスによります。Proton VPN・hide.meは公式ページで期限のない無料プランと記載しています。無料トライアルは期間限定で、過ぎると課金に移る場合があるため、申し込み前に確認してください。
Q2. 無料VPNは速度が遅いと聞きましたが本当ですか
VPNを経由する時点で直結より遅くなるのが通常で、無料プランは混雑時間帯にさらに落ちます。速度制限の記載がないことは、速度が出る保証にはなりません。
Q3. 無料VPNを仕事で使っても問題ないでしょうか
推奨できません。顧客データや社内情報を扱う通信は、会社が用意した環境か、契約条件と運営体制を確認した有料サービスを使ってください。無料プランは接続台数やサポートの面でも業務利用を想定していません。
Q4. 通信量無制限の無料VPNはありますか
Proton VPN・hide.me・Hotspot Shieldの3社です。ただし各社の自社サイトでの主張であり、第三者の検証結果ではありません。
Q5. 無料VPNで海外の動画配信サービスを見られますか
通信量の面で現実的ではありません。標準画質なら月2GBは約2.8時間で尽き、接続国を選べない無料プランでは目的の国に接続できません。
Q6. VPN Gateは大学が運営しているので安全ですか
運営主体は明確ですが、中継サーバーはボランティアが提供する方式で、ログの扱いもサーバーごとに異なります。統一スペックや第三者監査の枠組みはありません。
Q7. 無料VPNと有料VPNで、安全性はどれくらい違いますか
料金の有無では決まりません。差が出るのは、運営会社と所在国が公開されているか、ログの方針が第三者監査を受けているかです。監査法人名と実施年まで公式に確認できたのはProton VPN・TunnelBear・Windscribeの3社でした。
【まとめ】無料VPNで足りる人・足りない人
無料VPNで足りるかは、サービスの優劣ではなく用途と通信量で決まります。
無料で足りる人は、公衆Wi-Fiでの通信保護が主目的で、月の通信量が2GB前後に収まる人。上限なしと公式が明記する完全無料型か、通信量制限型が候補です。
無料では足りない人は、動画配信を日常的に見る人、接続先の国を選ぶ人、業務データを扱う人、複数台を同時に保護したい人。有料か、返金保証での試用が現実的です。
選ぶ前のチェックリスト
- 無料プランか無料トライアルかを公式ページで確認したか
- 通信量の上限が自分の使い方に足りるか
- 接続国を選ぶ必要があるか。無料プランで選べるか
- 運営会社と所在国を公式ページで確認できるか
- ログの方針が第三者監査を受けているか
5つとも問題なければ、無料プランのままで十分です。 有料に乗り換える理由はありません。1つでも引っかかるなら、返金保証のある有料VPNを短期で試すほうが早く済みます。
出典一覧
- Proton VPN公式|https://protonvpn.com/free-vpn ↩
- hide.me公式|https://hide.me/en/free-vpn ↩
- VPN Gate公式|https://www.vpngate.net/ja/ ↩
- Netflixヘルプセンター|https://help.netflix.com/en/node/87 ↩
- Hotspot Shield 無料VPN・2026年8月19日確認|https://www.hotspotshield.com/free-vpn/ ↩
- Windscribe公式|https://windscribe.com/knowledge-base/articles/has-windscribe-been-audited ↩
- TunnelBear 料金・2026年8月19日確認|https://www.tunnelbear.com/pricing ↩
- PrivadoVPN公式 無料VPNページ|https://privadovpn.com/freevpn/ ↩
- PrivadoVPN公式サポート|https://support.privadovpn.com/kb/article/875-what-is-the-difference-between-the-free-and-paid-vpn-plans/ ↩
- PrivadoVPN公式 Imprint|https://privadovpn.com/imprint/ ↩
- Avira Phantom VPN 無料VPN・2026年8月26日確認|https://www.avira.com/ja/free-vpn ↩
- Avira 会社概要|https://www.avira.com/ja/general-imprint ↩
- PR TIMES掲載のGMOインターネットグループ発表|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005445.000000136.html ↩
- Windscribe公式Ethicsページ|https://windscribe.com/ethics ↩
- IPA セキュリティ関連の注意喚起|https://www.ipa.go.jp/security/security-alert/index.html ↩
- PR TIMES掲載のソースネクスト発表|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000755.000035169.html ↩
{{AFFILIATE_LINK:有料VPN}} 公式サイトを見る(足りなかった条件だけを公式ページで確認できます)
関連記事
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- 月額の安い有料VPNを実質コストで比較する
- ノーログVPNとは|第三者監査で見抜く選び方
- VPN接続はバレる?何が誰に見えるか
- VPNは違法?合法?日本での法的位置づけ
- 海外から日本のサイト・動画をVPNで見る方法
この記事の掲載方針
本サイトの運営元はWeb制作とデジタルマーケティングを事業とし、VPNの提供事業者ではありません。CTAは提携先の確定後に広告リンクへ差し替える予定で、掲載順や評価は報酬の有無で変えません。
本記事は消費者庁「景品表示法」(ステルスマーケティング規制を含む)、総務省「電気通信事業法」を遵守しています。安全性の記述は各社公式サイトと公的機関・研究機関の公開資料に基づき、内容は2026年8月26日時点です(Avira Phantom VPN 以外は8月18〜19日時点)。仕様は変更される場合があるため、最新の条件は各サービスの公式サイトでご確認ください。
