ロングテールキーワードとは|実施後にアクセスが急成長した事例
「SEO記事を書き続けているのに、アクセスが全然増えない」——そう感じているWeb担当者や経営者の方は多いのではないでしょうか。
原因の多くは、記事の書き方ではなくキーワードの選び方にあります。どれだけ丁寧に記事を書いても、誰も検索しないキーワードを狙っていれば、アクセスはゼロのままです。
本記事では、ロングテールキーワードの意味から選び方の3ステップ、LIHが支援したクライアントで半年でアクセスが9倍になった施策の全容まで、実測データをもとに解説します。
ロングテールキーワードとは何か

まずは、ロングテールキーワードがどのような意味を持つのかを整理します。言葉の定義を正確に理解しておくことで、キーワード選定の判断基準が明確になります。
ロングテールキーワードの意味
ロングテールキーワードとは、2語以上を組み合わせた具体的な検索フレーズのことです。「SEO」という1語だけの検索に対して、「SEO キーワード 選び方 中小企業」のように複数の語を組み合わせたものがロングテールにあたります。
名前の由来は、検索ボリュームの分布グラフにあります。少数の人気キーワードが頭部(ヘッド)を形成し、膨大な数の具体的なキーワードが細長い尾(テール)のように続く形状から、「ロングテール」と呼ばれるようになりました。
1語あたりの検索数は少ないですが、ロングテールキーワード全体を合計すると、ヘッドキーワードの検索数を上回るとも言われています。

ショートテール・ミドルテールとの違い
キーワードは検索ボリュームと語数によって、大きく3種類に分類できます。それぞれの特徴を理解することで、自社のサイトに合った選択ができるようになります。
ショートテール(ビッグワード)は「SEO」「ホームページ制作」のような1〜2語の短いキーワードです。月間検索数は数万〜数十万件に達しますが、競合が大手メディアや老舗サイトばかりのため、新しいサイトや中小企業が上位表示するのはほぼ不可能です。
ミドルテールは「SEO 対策 方法」のような2〜3語の組み合わせで、月間数千〜数万件の検索が見込めます。競合はやや弱くなりますが、それでも大手が上位を占めているケースが多いです。
ロングテールは3語以上の複合キーワードで、月間検索数は100〜1,000件程度です。1本あたりの集客力は小さいですが、競合が弱く上位表示しやすいという大きな強みがあります。
中小企業がロングテールを狙うべき3つの理由

「検索数が少ないキーワードを狙っても意味がないのでは」と感じる方もいるかもしれません。しかし実際には、中小企業こそロングテールキーワードに集中すべき理由があります。
理由1. 競合ドメインに勝てる確率が上がる
検索上位を大手メディアや老舗サイトが占めているビッグワードに挑んでも、立ち上げから日が浅いサイトでは順位がつきません。その理由は、Googleがサイトの信頼性を示す「ドメインパワー」を評価に使っているためです。
一方でロングテールキーワードは、そのテーマを専門的に扱う記事が少なく、質の高い記事を1本公開するだけで上位に入れるケースがあります。ドメインパワーが弱い段階でも、勝負できる場所を選べば成果が出せます。
LIHが支援したクライアントでも、最初の段階でロングテールキーワードに集中投下したことが、半年でのアクセス急増につながりました。
理由2. 検索意図が明確で問い合わせにつながりやすい
「SEO」と検索する人が何を求めているのかは、正直なところ分かりません。基礎知識を知りたいのか、業者を探しているのか、ツールを調べているのかで全く異なります。
一方で「福岡 SEO対策 中小企業 費用」と検索する人は、福岡の中小企業向けにSEO対策を依頼したい、あるいは費用感を比べたいという明確な意図を持っています。検索意図が絞れるほど、訪問後に問い合わせや資料請求といったアクションにつながる割合が高くなります。
集客の目的が「アクセスを増やすこと」ではなく「問い合わせを増やすこと」であれば、ロングテールの方が合理的な選択です。

理由3. 記事が積み上がるほど複利的に効果が出る
ロングテールキーワードで記事を量産すると、関連するテーマの記事同士を内部リンクでつなげられるようになります。この構造をトピッククラスターといい、Googleがサイト全体を「このテーマの専門サイト」と認識しやすくなります。
1記事が上位表示されると関連記事にも評価が波及し、後から書いた記事ほど上位に入りやすくなる状態が生まれます。広告費をかけ続けなければアクセスがゼロになるリスティング広告とは違い、コンテンツは一度積み上げれば資産として残り続けます。
早い段階でロングテール記事の蓄積を始めるほど、長期的なリターンが大きくなる仕組みです。
ロングテールキーワードの選び方【3ステップ】

「ロングテールが有効なのは分かった。でも、どうやって選ぶのか」——ここが最も重要な部分です。選び方を間違えると、書いた記事が誰にも読まれないまま終わります。

ステップ1. 軸キーワードからサジェストを広げる
まず、自社のサービスや業種に関係する1〜2語の軸キーワードを決めます。たとえば屋根リフォーム会社であれば「屋根 修理」、Web制作会社であれば「ホームページ 制作」が軸になります。
次に、その軸キーワードをGoogleの検索窓に入力し、サジェスト(検索候補)や関連キーワードを確認します。「屋根 修理 費用」「屋根 修理 自分で」「屋根 修理 業者 選び方」のように、実際に検索されているフレーズが次々と出てきます。
この段階では絞り込まず、思いつく限りのロングテール候補を書き出すことが重要です。数が多いほど次のステップで選択肢が広がります。
ステップ2. 検索ボリュームと競合強度で絞り込む
集めたキーワード候補を、SEOツールを使って検索ボリュームと競合強度で評価します。PASCALやyoriaiSEOなどのツールを使うと、月間どれくらい検索されているかと、上位記事のドメインパワーが確認できます。
狙い目は月間検索ボリューム100〜1,000程度で、上位記事に大手メディアが少ないキーワードです。ボリュームが100未満のキーワードは、上位表示できてもアクセスがほぼゼロになるため、PV獲得を目的としたキーワードとしては採用しないことが基本です。
逆にボリュームが大きくても、上位10記事がすべて大手サイトで占められているキーワードは、どれだけ良い記事を書いても順位がつかない可能性が高いため、候補から外します。
ステップ3. 検索意図と自社サービスの一致を確認する
ボリュームと競合強度をクリアしたキーワードを、実際にGoogleで検索してみます。上位に表示されている記事の構成・内容・切り口を確認し、そのキーワードで検索するユーザーが何を求めているかを把握します。
確認すべき点は2つです。1つ目は「上位記事が答えている問いと、自社が伝えられる情報が一致しているか」。2つ目は「記事を読んだ後に、自社のサービスへ問い合わせをするという流れが自然に作れるか」です。
どちらかが欠けているキーワードは、上位表示できても集客に直結しません。検索意図と自社サービスの接点があるキーワードを優先することが、アクセスを問い合わせに変えるための基本です。
▶︎関連記事:SEOの効果が出るまでの期間は? パフォーマンス900%アップの事例
【実測データ】ロングテール戦略で半年にアクセスが9倍になった施策の中身

「ロングテールで本当にアクセスが増えるのか」という疑問に対して、LIHが実際に支援したA社の実測データをもとに答えます。
支援開始前の状態と課題
LIHがA社の支援を始めた時点で、月間セッション数は4,013でした。ホームページ自体はすでに公開されており、コンテンツも複数ありましたが、検索経由の流入が伸び悩んでいる状態でした。
課題を分析すると、主に2点が浮かび上がりました。1つ目は、競合の強いビッグワード中心のキーワード設計で、上位表示できているページがほとんどない状態でした。2つ目は、記事間の内部リンクがほぼ設定されておらず、サイト内で評価が分散していました。
原因はSEO対策そのものではなく、「どのキーワードを・どの順番で・どんな設計で狙うか」にありました。
実施した3つの施策
LIHが取り組んだのは、大きく3つの施策です。
施策1. ロングテールキーワードへの絞り込み SEOツールで検索ボリュームと競合強度を確認し、現状のサイト評価で上位表示できる可能性が高いキーワード群を洗い出しました。競合の上位記事に一次情報やデータが少ないジャンルを優先し、ビッグワードは一旦対象から外しました。
施策2. 競合が弱いジャンルへの集中投下 選んだキーワードの上位記事を実際に読み込み、情報の薄いジャンルにLIHの実績データや現場知見を加えた記事を集中的に公開しました。競合が弱いジャンルは上位表示までの時間が短く、初期のアクセス増加を生み出しやすいためです。
施策3. トピッククラスター構造の設計 同じテーマの記事をグループ化し、記事同士を内部リンクで結ぶ構造を整えました。Googleがサイト全体のテーマを把握しやすくなり、1記事が上位表示されると関連記事にも評価が波及する状態が生まれました。
半年後の結果
施策開始から半年後、月間セッション数は4,013から58,000へと増加しました。キーワード数も施策前の3〜4倍に拡大し、特定の記事に依存せず複数のキーワードで安定的に流入が発生する状態になっています。

この結果が示すのは、記事の文章力よりも「勝てるキーワードを選んで、設計通りに積み上げること」が成果を左右するという点です。ロングテール戦略は、リソースが限られている中小企業にとって現実的かつ再現性のある方法です。
▶︎関連記事:SEOブログの書き方【6ステップ】キーワード選定から公開後運用まで
ロングテール戦略でやりがちな3つのミス

ロングテールキーワードを選んで記事を書き始めても、成果が出ないケースがあります。多くの場合、選び方や運用の段階でよくあるミスを犯しています。
ミス1. ボリュームが小さすぎるキーワードを選ぶ
ロングテールキーワードを意識するあまり、月間検索数が10未満の極端にニッチなキーワードを選んでしまうミスがあります。上位表示できたとしても、そもそも誰も検索していなければアクセスはゼロのままです。
目安は月間100件以上の検索ボリュームがあるキーワードを選ぶことです。100件でも毎月安定して流入が生まれ、複数記事を積み上げることで合計の集客力が大きくなります。
「競合が強いから」と避けすぎて、誰も検索しないキーワードに逃げることは避けてください。
ミス2. 記事をバラバラに書いてクラスタ構造を作らない
ロングテールキーワードで記事を量産しても、テーマがバラバラで内部リンクが設定されていなければ、Googleから「専門性がある」と認識されません。記事同士がつながっていない状態では、1記事が上位表示されても他の記事への評価の波及が起きません。

記事を書くたびに、既存の関連記事から新記事への内部リンクを追加する習慣をつけることが重要です。同じテーマで3〜5本記事が揃ったら、ピラーページ(そのテーマの柱となる記事)を設計し、周辺記事と結ぶ構造を意識します。
記事数よりも、記事同士のつながりの設計がアクセス拡大を加速させます。
ミス3. 上位表示後に記事を放置する
ロングテールキーワードで上位表示できると、そのまま放置してしまうケースがあります。しかしSEOの順位は固定ではなく、競合記事が更新されたり新しい記事が公開されたりすることで、気づかないうちに順位が下落していることがあります。
公開から6ヶ月以上経過した記事は、引用しているデータが古くなっていないかを定期的に確認します。古いデータを更新し、記事冒頭に更新日を明記することで、Googleからの評価を維持しやすくなります。
上位表示はゴールではなく、維持と改善のサイクルを回し続けることが長期的な集客につながります。
▶︎関連記事:ホームページからの集客方法8選|中小企業が取り組む順番と実測データ
【Cross Talk】経営×現場の視点
出利葉(代表)
「SEOをやっているのに成果が出ない」という相談を受けると、ほぼ必ずキーワードの選び方に問題がある。
ビッグワードで半年やって順位がつかなかったからSEOは意味ないと判断する会社が多いけど、それは戦う場所を間違えているだけ。競合が弱い場所を選んで集中投下すれば、中小企業でも確実に結果が出せる。A社の事例も、最初にキーワードを見直したことがすべての起点だった。
相原(現場)
現場で差が出るのは、クラスタ構造を作るかどうかです。
ロングテールで記事を1本書いて上位表示できても、関連記事が存在しなければそこで止まります。同じテーマで3〜5本記事を揃えて内部リンクでつないだ瞬間に、Googleの評価がまとめて上がる感覚があります。手間に見えますが、この設計があるかないかで6ヶ月後のアクセス数が大きく変わります。
出利葉(代表)
そうだね。SEOは記事を書けば終わりじゃなくて、書いた記事同士をどうつなぐかが設計の本質だと思っている。ロングテールは入口に過ぎなくて、その先のクラスタ設計と更新運用まで含めて初めて「戦略」になる。早く始めるほど複利が効くから、今動き出す価値がある。
よくある質問

Q. ロングテールキーワードは何語から選べばいいですか
明確な決まりはありませんが、3語以上を目安にすることが一般的です。語数が増えるほど検索意図が絞られ、競合が少なくなる傾向があります。ただし、語数よりも「検索ボリュームが月間100件以上あるか」「自社サービスと検索意図が一致しているか」を優先して判断してください。
Q. 検索ボリュームが少なすぎるキーワードはどこから判断しますか
PASCALやyoriaiSEOなどのSEOツールで月間検索ボリュームを確認します。月間100件未満のキーワードはPV獲得目的としては採用しないことが基本です。ただし、BtoB向けの高単価サービスであれば、月間50件程度でも1件の問い合わせが大きな価値を持つケースもあります。業種と目的に合わせて判断してください。
Q. ロングテールで上位表示できたら次は何をすればいいですか
上位表示できたら、まず既存の関連記事から内部リンクを追加します。次に、同じテーマで書けるロングテールキーワードを3〜5本追加し、クラスタ構造を整えます。その後、サイト全体の評価が高まってきた段階で、より競合の強いミドルテールキーワードへ拡張していく順序が、最短で成果を出す方法です。
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