採用にショート動画は効果ある?必須コンテンツを解説
「求人広告にお金をかけているのに、応募が増えない」——そう感じている採用担当者の方は多いのではないでしょうか。
テキストと写真だけの求人情報では、職場の雰囲気や人柄といった「定性的な魅力」が伝わりにくいのが実情です。求職者は応募する前に、企業のリアルな空気感を知りたいと考えています。
その課題を解決する手段として注目されているのが、採用ショート動画です。ただし、ただ動画を撮って投稿するだけでは、応募にはつながりません。
本記事では、採用ショート動画に必要なコンテンツと、応募の質と数を高めるための設計の進め方を、制作現場の知見を交えて解説します。
採用ショート動画(マーケティング)とは何か

採用ショート動画とは、15秒から60秒程度の短尺動画を使って、採用活動の各フェーズで企業の魅力を伝える手法を指します。TikTok・Instagramリール・YouTubeショートへの投稿が中心です。
採用ショート動画は、認知・興味・応募・面談という採用フローの各段階で役割を変えながら活用できます。求人媒体だけに依存していた採用活動に、新しい接点を加える手法として広がっています。
| フェーズ | 役割 | 主な活用先 |
|---|---|---|
| 認知 | 幅広い層への接触 | TikTok・Instagramリール広告/オーガニック投稿 |
| 興味・関心 | 詳細情報の提供 | 採用LP・コーポレートサイト |
| 応募・面談 | 不安の解消・関係構築 | LINE公式アカウント・登録者限定配信 |
従来の採用動画(長尺)との違い
従来の採用動画は5分から10分程度の長尺が多く、視聴のハードルが高いのが難点でした。最後まで見てもらえなければ、伝えたい内容も届きません。
ショート動画は、要点を先出しして見せ場をテンポよく重ねることで、短時間で好意までつなげられます。社員インタビューを一問一答形式に分割するなど、長尺コンテンツを再編集して活用する方法もあります。
両者は対立するものではなく、ショート動画で興味を引き、長尺動画や採用サイトで詳細を伝えるという役割分担が効果的です。
なぜ今、採用にショート動画が必要なのか
Z世代の86.6%が転職活動で採用ショート動画を参考にしているという調査結果があります。10代の73%、20代の60%がショート動画を毎日視聴しているというデータもあり、採用ターゲットの主な情報収集チャネルがすでに変化しています。
求職者が重視する基準も変化しています。給与や福利厚生といった「条件」だけでなく、職場の空気感や人柄への共感が応募の決め手になりやすくなっています。テキスト情報が均質化する中で、動画は企業の個性を直感的に伝えられる数少ない手段です。
ショート動画はレコメンドアルゴリズムによって、まだ転職を具体的に考えていない潜在層にも届くという特徴があります。求人媒体やスカウトでは接点を持てなかった層にアプローチできる点も、今取り組むべき理由のひとつです。
採用ショート動画に必須のコンテンツ4選

採用ショート動画の土台となる、必ず押さえておきたい4つのコンテンツを解説します。
1. 社員インタビュー(一問一答形式)
求職者が最も知りたいのは「どんな人が働いているのか」です。社員インタビューを15秒から30秒の一問一答形式に分割することで、視聴ハードルを下げながらリアルな声を届けられます。
「入社を決めた理由」「この仕事のやりがい」など、質問ごとに動画を分けることで、SNSでも拡散されやすくなります。長尺の一本動画よりも、短く分割したシリーズのほうが繰り返し視聴されやすい傾向があります。
2. 1日密着・職場のリアル
出勤から退勤までの流れを切り取ることで、求職者は自分が働く姿を具体的にイメージできます。挨拶の声色や会議のテンポ、オフィスの光の感じまで、文章では伝わらない肌触りを届けられるのが動画の強みです。
綺麗に演出された映像よりも、作られた印象を与える映像は逆効果になりやすい傾向があります。開店前の準備風景やランチタイムの雰囲気など、何気ない日常の一コマを差し込むとリアリティが増します。
3. よくあるQ&A形式動画
エントリー直前の求職者は、条件よりも「不安」がネックになっているケースが多くあります。「残業は多いですか?」「在宅勤務はできますか?」といった質問に社員が答える形式の動画は、情報の透明性を示す効果があります。
建前だけの回答は入社後のギャップを生む原因になるため避けましょう。「入社前に知りたかったこと」をテーマにしたシリーズにすると、応募者からの問い合わせ件数が減り、応募の質が上がったという報告もあります。
4. 代表・採用担当からのメッセージ
経営者がどんな考えを持っているかは、求職者が会社選びで重視するポイントのひとつです。形式的な挨拶文ではなく、本人の言葉で語ることが信頼につながります。
顔と声が伝わる動画形式は、テキストの代表メッセージよりも親近感が生まれやすくなります。会社の課題や今後乗り越えたい壁についても正直に語ることで、誠実な印象を与えられます。
| コンテンツ | 主な役割 | 適した尺 |
|---|---|---|
| 社員インタビュー | 入社後イメージの形成 | 15〜30秒 |
| 1日密着 | 職場のリアルな雰囲気を伝える | 30〜60秒 |
| Q&A動画 | 応募前の不安解消 | 15〜30秒 |
| 代表メッセージ | 経営者への信頼形成 | 30〜60秒 |
応募の質を高める差別化コンテンツ4選

必須コンテンツだけでは、競合他社との差別化が難しいのが実情です。応募意欲をさらに引き上げるコンテンツを紹介します。
1. 職種別の働き方紹介
職種によって1日の流れや働く場所は大きく異なります。複数の職種でそれぞれ紹介することで、求職者が自分に近いロールモデルを見つけやすくなります。
1つの職種だけを紹介すると、別の志向を持つ求職者を取りこぼします。営業職と事務職では時間の使い方も働く場所も異なるため、それぞれの実態を伝えることが重要です。
2. 転職理由インタビュー
転職経験者の前職比較を交えた語りは、マッチング精度が上がるという特性があります。中途採用の求職者は、すでに社会人経験を持つ前提で企業を見ているためです。
良い面だけでなく、転職前に感じていた不安まで正直に語ってもらうと、求職者の信頼が高まりやすくなります。建前の言葉よりも、現場の本音のほうが結果的に応募者の心に残ります。
3. オフィス・現場のドキュメンタリー風動画
朝礼や打ち合わせ、ランチの会話といった「リアルな日常」を切り取ることで、働く現場の空気感を30秒程度に凝縮して伝えられます。
候補者は、この映像を通じて「自分もここで働いているとしたら」という入社体験を直感的にイメージします。演出を加えすぎず、ありのままの空気を見せることがポイントです。
4. SNSアカウントでの継続発信

1本のバズった動画よりも、同テーマの連載として継続発信するほうが、長期的な採用ブランディングにつながります。職種別1分密着や福利厚生ミニ解説など、シリーズ化することで思い出してもらえる機会が増えます。
継続的な発信を怠ると、単発の話題で終わってしまいます。エントリーやカジュアル面談への遷移を増やすには、繰り返しの接触機会を意図的に作ることが大切です。
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採用ショート動画の企画・撮影でお悩みの方へ
株式会社LIHでは、社員インタビューから1日密着動画まで、採用ショート動画の企画から撮影・編集まで一貫してサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
採用ショート動画設計の進め方3ステップ

コンテンツが揃っていても、設計の順番を誤ると効果が半減します。制作前に確認すべき3ステップを解説します。
ステップ1. 採用フェーズごとの役割を決める
採用フローは認知・興味・応募・面談という段階に分かれます。同じ動画ですべての段階を狙おうとすると、中途半端になりやすい傾向があります。
認知段階では拡散力のある投稿、興味段階では詳細情報、応募・面談段階では不安解消というように、フェーズごとに役割を分けます。どの段階の動画かを事前に決めてから企画することで、内容がぶれにくくなります。
ステップ2. ターゲット人物像を具体化する
「明るく元気な人」のような抽象的な言葉ではなく、年齢・スキル・価値観などをできる限り解像度高く言語化することが重要です(ペルソナ設定)。

ターゲットが曖昧なまま制作すると、誰にも刺さらない動画になりやすくなります。社内で活躍している社員の共通点を分析することも、ターゲット設定のヒントになります。
ステップ3. 撮影・編集体制と投稿頻度を決める
採用ショート動画は、継続的な更新と効果測定が不可欠です。社内スタッフの動画スキルや制作時間を確保できるかを事前に見極める必要があります。
クオリティを犠牲にした動画をいくら投稿しても、成果にはつながりません。無理のない頻度を保つことが、長期的な採用ブランディングには欠かせません。撮影をまとめて行い、編集を標準化することで、継続しやすい体制を作れます。
【Cross Talk】経営×現場の視点
出利葉(代表)
採用の相談で多いのが、求人広告だけに予算を使い続けているケース。でも今の求職者は応募する前にSNSで雰囲気を確認しているから、テキストの求人票だけだと選考に進む前の段階で離脱されてしまう。ショート動画は撮影自体のハードルは高くないから、まず1本作ってみることをおすすめしている。
相原(現場)
現場で撮影していて感じるのは、社員の方の自然な表情が一番反応がいいということです。台本通りに話してもらうよりも、雑談の延長で本音を引き出したほうが、視聴者の信頼につながる映像になります。Q&A動画も、想定問答を作りすぎず、その場で素直に答えてもらうほうが結果的に説得力が出ます。
出利葉(代表)
あと忘れがちなのが、フェーズによって見せる動画を変えるという視点。認知段階でいきなり給与や福利厚生の話をしても響かないし、応募直前の人にエンタメ動画を見せても意味がない。同じ会社の魅力でも、相手がどの段階にいるかで見せ方を変える発想を持てているかどうかで、最終的な応募の質が変わってくる。
相原(現場)
制作する側としても、最初にフェーズを決めてもらえると企画がぶれません。1日密着とQ&A動画は同じ職場の様子でも、編集の見せ方がまったく違ってくるので、撮影前にどのフェーズの動画かをクライアントと確認するようにしています。そこを揃えるだけで、撮り直しの手間もかなり減る印象です。
Q. 採用ショート動画はどの職種でも効果がありますか?
特に若年層がメインターゲットの職種で効果を発揮しやすい傾向があります。ただし職場の雰囲気を重視する求職者は職種を問わず多いため、社員インタビューや1日密着など、定性的な魅力を伝えるコンテンツは幅広い職種で活用できます。
Q. 採用ショート動画は何本くらい用意すればいいですか?
1本だけで終わらせず、社員インタビュー・1日密着・Q&A動画など複数のフォーマットをシリーズとして継続することをおすすめします。同テーマでの連載化により、求職者との接触回数が増え、応募への遷移につながりやすくなります。
Q. 撮影は社内のスタッフだけでもできますか?
スマートフォン1台でも十分な素材は撮影できます。ただし継続的な投稿には相応の工数が必要になるため、社内リソースが限られる場合は、企画や編集の一部を外部に委託する方法も検討するとよいでしょう。
まとめ:まずは「社員インタビュー」から始めるのが近道
ここまで4つの必須コンテンツと4つの差別化コンテンツを紹介しましたが、すべてを同時に始める必要はありません。撮影のハードルが最も低く、効果も検証しやすいのは社員インタビューです。
スマートフォン1台と社員1人の協力があれば撮影でき、一問一答形式なら編集の負担も抑えられます。まずは1本公開し、再生数や保存数の反応を見ながら、1日密着やQ&A動画へと広げていく進め方が現実的です。
最初から全フォーマットを揃えようとすると、撮影・編集の負荷が高く継続できなくなりがちです。さく始めて検証し、反応の良かった形式にリソースを集中させる方が、結果的に応募につながる動画が早く見つかります。
どこから着手すべきか迷ったら
株式会社LIHでは、御社の採用フェーズや人員体制に合わせて、最初の1本から企画・撮影をご支援します。