オウンドメディアにかける費用はいくら?投資すべき理由を解説
「オウンドメディアを始めたいけれど、できるだけ費用を抑えたい」——そう考える担当者は少なくありません。
気持ちはよく分かりますが、費用を切り詰めすぎたオウンドメディアほど、思うような成果につながらない傾向があるのも事実です。
オウンドメディアは、広告のように出稿すればすぐに反応が見えるものではありません。だからこそ、どこにどれだけ費用をかけるべきかの判断を誤ると、時間もお金も無駄にしてしまいます。
本記事では、オウンドメディアにかかる費用の内訳と、安さを優先した場合に起きやすいこと、そして費用をかける価値がある理由まで解説します。
オウンドメディアにかかる費用の内訳

オウンドメディアの費用は、大きく3つに分けて考えることができます。それぞれの内訳を理解しておくと、見積もりを比較する際の判断材料になります。「オウンドメディア一式でいくら」という金額だけを見比べるのではなく、何にいくらかかっているのかを分解して考えることが大切です。
構築費用(デザイン・コーディング)
サイトの土台となるデザインとコーディングにかかる費用です。CMSをベースにしたシンプルな構成であれば比較的抑えられますが、独自のデザインやページ数が増えるほど費用は上がります。
構築段階でデザインにこだわりすぎると、その後のコンテンツ制作に回せる予算が圧迫されてしまうこともあります。全体の予算配分を意識して検討することが大切です。
デザインは一度作れば長く使えるものですが、コンテンツは継続的に発生するコストです。限られた予算の中でどちらを優先するかは、事前によく検討しておきたいポイントです。

コンテンツ制作費用(記事・取材など)
継続的に記事を制作していく費用です。オウンドメディアの費用の大半を占めるのが、このコンテンツ制作費用です。
構築が「一度作れば終わり」の費用であるのに対し、コンテンツ制作は継続的に発生する費用です。長期的な運用を見据えるほど、ここにどれだけ投資できるかが成果を左右します。
取材や撮影を伴う記事は費用が高くなる一方、専門性の高い情報を届けられるため、成果につながりやすい傾向があります。
運用・保守費用
公開後のサーバー保守やCMSのアップデート、問い合わせ対応にかかる費用です。見落とされがちですが、長く運用を続けるうえで欠かせないコストです。
セキュリティ対策を怠ると、サイトが改ざんされたり表示速度が落ちたりするリスクもあるため、初期費用だけでなくランニングコストも含めて予算を組んでおく必要があります。
ここまでの3つの費用を整理すると、以下のようになります。
| 費用の種類 | 費用目安 |
|---|---|
| 構築費用(デザイン・コーディング) | 数十万円〜数百万円 |
| 記事制作費用(1本あたり) | 2万円〜15万円 |
| 継続的な制作・運用費用(月あたり) | 10万円〜数十万円 |
「安く済ませよう」とすると起きること

費用を抑えること自体は悪いことではありません。ただし、必要な費用まで削ってしまうと、かえって遠回りになるケースがあります。ここでは、費用を切り詰めた結果によく起きる3つのパターンを紹介します。
量産型の低品質記事で成果が出ない
1本あたりの単価を極端に下げると、専門性の薄い記事が量産されやすくなります。検索エンジンにもユーザーにも評価されにくく、記事数だけが増えて成果が伴わない状態に陥りがちです。
「本数を増やせば増やすほど有利になる」という考え方は、必ずしも正しくありません。1本1本の質が伴っていなければ、いくら数を積み上げても検索エンジンからの評価にはつながりにくいのです。
むしろ、質の低い記事が大量に存在すると、サイト全体の評価が下がってしまうこともあります。本数を追い求めるより、1本ずつの完成度を高めることの方が、結果的に近道になるケースが多く見られます。
更新が止まり資産にならない
担当者が片手間で運用している場合、他の業務が忙しくなると真っ先に後回しにされがちです。更新が止まったメディアは成長が止まるため、それまでの投資が十分に回収できません。
特に立ち上げから半年〜1年程度は、成果が数字として見えにくい時期です。この時期に更新が止まってしまうと、それまでの投資がほぼ無駄になってしまうことも珍しくありません。

成果が見えにくい時期をどう乗り越えるかは、担当者一人の頑張りに頼るのではなく、あらかじめ更新体制や役割分担を決めておくことで対処しやすくなります。
結局作り直しで二重にコストがかかる
戦略設計を省いて安く立ち上げた結果、成果が出ないままリニューアルを迫られるケースも少なくありません。最初にかけるはずだった費用を、後から二重で支払うことになってしまいます。
さらに、作り直しには構築費用だけでなく、それまでに公開した記事の見直しや、URL変更にともなうSEO評価のリセットなど、目に見えにくいコストも発生します。
一度積み上げた評価を失ってから作り直すのと、最初から適切な設計で進めるのとでは、同じゴールにたどり着くまでの時間も費用も大きく変わってきます。
費用をかける価値がある理由

検索エンジン上の資産として積み上がる
質の高い記事は、公開後も検索エンジンからの流入を生み続けます。一度作れば資産として残り続ける点が、他の集客手法にはない強みです。
公開から半年、1年と時間が経つにつれて、複数の記事が積み重なり、サイト全体としての評価も高まっていきます。この積み上げの効果は、質を犠牲にした量産では得にくいものです。
1本1本の記事が独立して評価されるだけでなく、関連する記事同士がリンクし合うことで、サイト全体としての専門性や信頼性も評価されやすくなります。この相乗効果も、オウンドメディアならではの強みです。
広告費との比較で見えてくること
広告は掲載を止めた瞬間に流入がゼロになりますが、オウンドメディアの記事は掲載を止めても効果が残ります。短期的な費用だけでなく、長期的な費用対効果で比較する視点が欠かせません。
もちろん、広告には即効性があるという明確な強みがあります。すぐに成果が欲しい場面では広告が向いていますが、中長期的に集客の土台を作りたい場合は、オウンドメディアへの投資が効いてきます。両者は競合するものではなく、目的に応じて併用するのが理想的です。
予算をかける際の考え方

すべての予算を最初から大きく投じる必要はありません。ただし、戦略設計だけは削らないことをおすすめします。誰に何を届けるかという土台が曖昧なままでは、その後どれだけ記事を積み上げても成果にはつながりにくいためです。
戦略設計にしっかり費用をかけたうえで、記事の本数や更新頻度を予算に応じて調整していく、という順番で考えると、限られた予算でも成果につながりやすい運用ができます。
逆に、戦略設計を後回しにして記事の本数だけを増やしてしまうと、方向性がぶれたまま記事が積み上がり、後から軌道修正するのに余計な費用と時間がかかってしまいます。最初の設計に投資することが、結果的に一番の近道です。
内製と外注、費用の考え方の違い
「外注費がかかるなら内製した方が安い」と考える方は多いですが、この比較には注意が必要です。内製は見えないコストが発生しやすいためです。

担当者が記事を書く時間は、本来別の業務にあてられたはずの時間です。人件費として金額に換算すると、外注費用と大きく変わらない、あるいはそれ以上になっているケースも少なくありません。
また、内製の場合は担当者一人のスキルに成果が左右されやすく、担当者が異動・退職した際にノウハウが引き継がれないというリスクもあります。外注は継続性を確保しやすいという側面もあることを知っておくとよいでしょう。
内製・外注のどちらが正解というわけではなく、自社にどれだけのリソースと専門知識があるかによって、最適な組み合わせは変わってきます。
実際には、戦略設計や記事の企画は外部の専門家に依頼し、執筆や更新作業の一部は社内で行うというように、内製と外注を組み合わせる進め方も多く選ばれています。自社の強みと弱みを整理したうえで、どこを任せるかを決めていくとよいでしょう。
Cross Talk:オウンドメディアの費用相談で感じること
出利葉(代表)
費用の相談で一番多いのは「できるだけ安く」という要望。
気持ちは分かるけど、安さだけで選んだ結果、半年後にまた相談に来られるケースを何度も見てきた。最初にかける費用より、やり直しにかかる費用の方が高くつくことが多いんだよね。だからこそ、最初の投資判断が一番大事だと思っている。
相原(現場)
はい。特に記事制作は、単価を下げるほど書き手のリソースも限られてしまいます。
安い単価だと、深く調べずに書ける表面的な内容になりがちで、結果的に検索順位も上がりにくいです。時間をかけて調べた記事とそうでない記事は、読んでいてもすぐに分かります。
出利葉(代表)
うちが提案するときは、まず戦略設計にしっかり時間をかけることを勧めている。
ここさえ固まっていれば、予算に応じて記事の本数を調整しても、方向性がぶれずに積み上がっていくからね。逆にここが曖昧だと、本数を増やすほど軸がぶれていってしまう。
相原(現場)
広告と違って、良い記事は公開後も働き続けてくれます。
目先の費用だけでなく、1〜2年単位で見たときの費用対効果で考えると、判断もしやすくなると思います。短期の数字だけを見て評価すると、途中でやめたくなってしまうこともありますから。
よくある質問
Q. オウンドメディアにはどれくらいの費用がかかりますか?
構築費用は数十万円〜数百万円、記事制作費用は1本あたり2万円〜15万円、継続的な運用費用は月10万円〜数十万円が目安です。デザインの独自性や記事の専門性によって費用は変動します。まずは自社の目的に対してどこまで規模が必要かを整理することから始めるとよいでしょう。
Q. 費用を抑えながら始めることはできますか?
構築費用や記事本数を絞ることで、初期費用を抑えることは可能です。ただし、戦略設計を省略してしまうと、後から成果が出ずに作り直しが必要になり、結果的に費用がかさんでしまうことがあります。削るべき部分と削るべきでない部分を見極めることが重要です。
Q. 広告とオウンドメディア、どちらに費用をかけるべきですか?
広告は即効性がありますが、掲載を止めると効果もなくなります。オウンドメディアは効果が出るまで時間がかかりますが、一度作った記事は資産として残り続けます。短期と長期、両方の視点で予算配分を考えることが大切です。
Q. 内製と外注、どちらがコストを抑えられますか?
単純な金額だけで見ると内製の方が安く感じられますが、担当者の作業時間を人件費として考えると、外注費用と大きく変わらないことも多くあります。継続性やノウハウの蓄積という観点も含めて、総合的に判断することをおすすめします。
成果につながるオウンドメディアをご検討の方へ
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