Z世代がYouTubeショートを見る理由と企業動画が即スキップされる真実【LIH調査データあり】
Z世代に刺さらないそう感じているマーケティング担当者は少なくありません。Z世代はYouTubeをどう使い、企業の動画をどう受け取っているのか。実態を知らないまま施策を打っても、成果にはつながりません。
株式会社LIHが10〜20代64名を対象に実施した調査では、企業動画を「即スキップする」と答えた割合が46.9%にのぼりました。しかし同時に、62.5%が完視聴という結果も出ています。本記事では、LIHの一次調査データをもとにZ世代のYouTube利用実態を解説し、企業が取るべき動画戦略を具体的にお伝えします。
Z世代にとってYouTubeはどんな存在か

Z世代(1990年代後半〜2010年代初頭生まれ)は、スマートフォンとSNSが生活インフラとして存在する環境で育った世代です。情報収集・娯楽・コミュニケーションのすべてがスマートフォン上で完結します。YouTubeはその中でも利用率が突出して高く、約86〜92%と複数の調査で報告されています。
ただし、YouTubeの使い方がミレニアル世代以上と異なる点があります。Z世代はYouTubeを「じっくり見るメディア」としてだけでなく、ながら聞きや、短時間で消費できるYouTubeショートの活用が中心になっています。娯楽性の高いコンテンツが好まれ、情報収集よりも「楽しむため」に使う傾向が強いのが特徴です。
YouTubeショートの利用率はZ世代が突出している
YouTubeショートの利用率はZ世代で約83%にのぼり、Y世代(ミレニアル世代)との差は約18ポイントに達します。Z世代の約半数が「ほぼ毎日」YouTubeショートを利用するという調査結果もあります。(参照:マナミナ「Z世代のYouTube・YouTubeショート・TikTokの利用実態」)
TikTokの利用率が半数を超えるのもZ世代だけで、3媒体が主軸になっています。企業がZ世代にアプローチするには、通常の長尺動画だけでなく、ショート動画のフォーマットを前提に設計することが求められます。
1日の視聴時間は「1〜2時間」が最多
LIHが実施した調査(10〜20代64名対象、2026年6〜7月)では、1日のショート動画視聴時間について「1〜2時間」が最多で32.8%でした。「30分〜1時間」と「2時間以上」がいずれも29.7%で続いており、視聴時間の分散が大きいことも分かりました。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)

1日1時間以上ショート動画を視聴している層が全体の6割以上を占めます。視聴習慣の定着ことが、この数字からも読み取れます。
企業動画への反応:46.9%が「即スキップ」する現実
LIHの調査で最も注目すべきデータがあります。企業・ブランドのショート動画が流れてきた際の行動を尋ねたところ、即スキップ46.9%、内容次第で見るが53.1%という結果になりました。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)

約半数が最初から見る気がないという現実は、企業にとって厳しい数字です。ただし裏を返せば、内容次第で視聴立場にあります。Z世代が全員広告嫌いというわけではなく、コンテンツの質で判断しています。「見てもらえるかどうか」は、内容の良し悪しより先に「広告っぽく見えるかどうか」で決まっているといえます。
【関連記事】Z世代とショート動画の実態|即スキップ46.9%・購買転換35.9%をデータで読み解く
最後まで見てもらえる動画の条件
LIHの調査では、最後まで視聴してしまう企業動画の特徴(複数回答)についても聞いています。結果は以下の通りです。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
| 視聴継続の理由 | 回答率 |
|---|---|
| 面白い・笑える | 62.5% |
| 好きなアーティストや人物が出ている | 45.3% |
| 役に立つ情報がある | 39.1% |
| 裏側やリアルな雰囲気が見える | 34.4% |
1位の「面白い・笑える」は2位を17ポイント以上引き離しています。視聴継続の鍵であることは明らかです。「役立つ情報」は3位にとどまっており、情報訴求だけでは視聴継続につながりにくいことが分かります。
Z世代が広告を見抜く精度は高い
Z世代はデジタルネイティブとして、広告を即判断する能力を持っています。YouTubeのスキップ機能やアドブロックの利用、SNSでの「それ広告でしょ」という反応は、広告嫌い傾向が行動として定着していることを示しています。(参照:Ad-Virtua「若年層へのリーチ戦略」2026年)
冒頭で商品ロゴが表示された瞬間にスキップされるケースは少なくありません。「企業の動画」と判断された瞬間、中身を見てもらう機会は失われます。最初の1〜2秒でいかに「広告っぽさ」を感じさせないかが、視聴継続の入口を作る上で重要なポイントになります。
ショート動画が購買につながる:35.9%が購入経験あり

即スキップされるケースが多い一方で、見てもらえた場合の購買転換率は無視できない水準にあります。LIHの調査では、ショート動画がきっかけで実際に商品・サービスを購入・利用した経験がある人は35.9%に達しました。3人に1人以上が購買行動に至っています。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
この数字は、ショート動画が単なる認知獲得ツールではなく、購買導線として機能ことを示しています。「見てもらえれば購買につながる可能性がある」という前提に立てば、課題は「いかに見てもらうか」の一点に絞られます。
YouTubeショートを活用した購買導線の設計
YouTubeショートから購買につなげるには、動画単体で完結させようとしないことが重要です。ショート動画は認知・興味喚起の役割に徹し、詳細情報はリンク先のWebサイトやLPに誘導するLP誘導設計が基本になります。
具体的には、冒頭3秒設計という構成が効果的です。「続きはプロフィールのリンクから」という形でWebサイトへの誘導を促すパターンが、Z世代向けショート動画では一般的に採用されています。
Z世代向けYouTube動画で成果を出す3つの原則

LIHの調査データと市場の実態から、Z世代向けYouTube動画で成果を出すための原則を3つに整理しました。
原則1:冒頭1秒で広告っぽさを排除する
Z世代はコンテンツの冒頭で「広告かどうか」を瞬時に判断します。企業ロゴ・商品名・PR表記を冒頭に持ってくる構成は、即スキップを招く最大の要因です。問い・共感・驚きのが基本になります。

例えば「これ知ってた?」「やってみたら意外な結果に」「Z世代の46.9%がやってること」のように、コンテンツの中身に興味を持たせてから企業情報を提示する順序が、継続率向上につながります。
原則2:エンタメ性を最優先にする
視聴継続の最大要因が「面白い・笑える」(62.5%)である以上、エンタメ性を優先設計が求められます。商品の機能説明を丁寧に行う動画より、商品を使ったリアルな体験や笑えるシチュエーションを切り取った動画の方がZ世代には刺さりやすいといえます。
「裏側やリアルな雰囲気が見える」が34.4%で4位に入っている点も見逃せません。素の雰囲気がZ世代の信頼を得やすい傾向があります。
原則3:ショートと長尺を役割分担させる
YouTubeには通常の長尺動画とショートという2つのフォーマットが存在します。ショートで認知という役割分担が、Z世代へのアプローチとして有効です。
ショートで引っかかりを作り、「もっと知りたい」というユーザーを長尺動画やWebサイトに誘導する設計は、購買導線として機能しやすくなります。一方のフォーマットだけに注力するのではなく、両者の連動が重要です。
【LIH調査レポート】Z世代のショート動画視聴実態を詳しく見る

本記事で引用したデータは、株式会社LIHが2026年6〜7月に実施した「Z世代のリアル調査」の一部です。10〜20代64名のリアルな視聴行動・購買行動のデータを、調査レポートとして公開しています。
- 企業動画への行動(即スキップ vs 内容次第)の詳細
- 1日のショート動画視聴時間の分布
- 最後まで見てしまう動画の特徴(複数回答)
- ショート動画きっかけの購買行動の実態
調査レポートの全データは以下から確認できます。Z世代向けのショート動画戦略を検討している企業担当者の方は、一次データとして参照してください。
▶ 【Z世代のリアル調査】企業のショート動画、46.9%が「即スキップ」も”面白さ”があれば最後まで(PR TIMES)
Cross Talk:Z世代向け動画施策で感じること
出利葉(代表)
Z世代向けの動画相談でよく聞くのが、「撮っているのに反応がない」という声だね。ほとんどのケースで冒頭に企業名やロゴを出していて、それだけで離脱されている。まず最初の1秒を変えることから提案している。
相原(現場)
はい。現場でも、エンタメ性を意識して作り直しただけで視聴継続率が大きく変わった事例はよく見ます。LIHの調査でも「面白い・笑える」が62.5%で1位だったので、数字としても裏付けられていますね。商品紹介より先に「見たくなる理由」を作ることが大事だと思います。
出利葉(代表)
ショートと長尺の役割分担もよく相談されるポイントだね。ショートで興味を持ってもらって、詳しく知りたい人をWebサイトに誘導する流れを設計できると、購買につながりやすくなる。今回の調査で35.9%が購買経験ありというのも、その設計次第で変わる数字だと思う。
相原(現場)
Z世代は広告かどうかをすぐ見抜くので、作り込みすぎると逆効果になることもあります。素の雰囲気を残しながら、自然にブランドが伝わる動画が結果的に刺さりやすいですね。どこまで作り込むかのバランスが、現場でも一番難しいポイントです。
よくある質問

Q. Z世代はYouTubeとTikTokどちらをよく使っているのか?
利用率で見るとYouTubeが約86〜92%と最も高く、Z世代の主要プラットフォームです。TikTokは約52〜59%で、Z世代だけ利用率が半数を超えます。ただし用途が異なっており、YouTubeは長尺コンテンツや「ながら聞き」、TikTokは短時間の娯楽消費という使い分けが起きています。企業が動画施策を打つ場合、どちらか一方ではなく両媒体での展開が有効です。
Q. Z世代に企業動画を見てもらうには何が一番重要か?
LIHの調査では、最後まで視聴してもらえる企業動画の特徴として「面白い・笑える」が62.5%で1位でした。冒頭で広告と判断された瞬間にスキップされるため、企業ロゴや商品名を冒頭に出さず、まずエンタメ性のある展開で引きつけることが重要です。情報訴求よりもエンタメ性の確保を優先した設計が、Z世代への動画施策では基本になります。
Q. ショート動画で本当に購買につながるのか?
LIHの調査では、ショート動画がきっかけで商品・サービスを購入・利用した経験がある人が35.9%にのぼりました。3人に1人以上が購買行動に至っており、ショート動画はすでに有効な購買導線として機能しています。ただし動画単体で購買を完結させようとするのではなく、WebサイトやLPへの誘導を組み合わせた設計が成果につながりやすいといえます。
Q. YouTubeショートと通常動画はどう使い分ければよいか?
ショートは認知・興味喚起、通常の長尺動画は深掘りと信頼構築という役割分担が基本です。ショートで引っかかりを作り、「もっと知りたい」というユーザーを長尺動画やWebサイトに誘導する設計が、Z世代向けの購買導線として機能しやすくなります。どちらか一方に注力するのではなく、2つのフォーマットを連動させることで相乗効果が生まれます。
Z世代に刺さるYouTube動画を作るには、広告っぽさを排除した冒頭設計とエンタメ性の確保が前提になります。ショート動画の活用戦略や具体的な制作方法についてご相談したい場合は、株式会社LIHへお問い合わせください。
Z世代向けのショート動画戦略をご検討の方へ
LIHでは、YouTubeショートをはじめとしたショート動画の企画・制作から、Webサイトとの連動設計まで幅広くご支援しています。まずはお気軽にご相談ください。