Z世代とショート動画の実態|即スキップ46.9%・購買転換35.9%をデータで読み解く
「ショート動画を作っているのにZ世代に刺さらない」——その原因は、Z世代がショート動画をどう使っているかの実態を知らないまま作っているからかもしれません。「若い世代はショート動画が好き」という感覚的な理解だけでは、施策の精度は上がりません。
株式会社LIHが10〜29歳66名を対象に実施した調査では、企業のショート動画を即スキップする割合が46.9%にのぼる一方、面白ければ完視聴が62.5%という結果も出ています。本記事では、LIHの一次調査データをもとにZ世代のショート動画利用実態を解説し、企業が取るべき具体的な対策を整理します。
Z世代のショート動画視聴時間:1日1〜2時間が最多

LIHが実施した調査(10〜29歳66名対象、2026年6〜7月)では、1日のショート動画視聴時間について「1〜2時間」が32.8%で最多でした。「30分〜1時間」と「2時間以上」がいずれも29.7%で続いており、1日1時間以上視聴する層が全体の6割を超えます。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
Z世代にとってショート動画の視聴は、日常習慣として完全に定着しています。起き抜けのスクロール・移動中の視聴・就寝前のながら見など、スキマ時間のすべてがショート動画で埋まっているといっても過言ではありません。
Z世代がショート動画を見る理由
Z世代がショート動画を好む背景には、タイパ重視の価値観があります。長尺動画を最初から最後まで見るより、短い時間で多くのコンテンツを消費する方を好みます。世の中にコンテンツが飽和している状況では、短く濃い情報量が求められます。
また、TikTokやYouTubeショートのアルゴリズムは、スクロールしているだけで自分の好みに合ったコンテンツが流れてくる仕組みです。能動的な検索不要でコンテンツに出会えるため、情報収集コストが極限まで下がっています。この「偶然の出会い型」情報接触が、Z世代にとってのショート動画の核心的な価値です。
企業動画への反応:46.9%が「即スキップ」する現実

LIHの調査で最も注目すべきデータがあります。企業・ブランドのショート動画が流れてきた際の行動を尋ねたところ、スキップ46.9%・視聴53.1%という結果になりました。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
約半数が最初から見る気がないという現実は、企業にとって厳しい数字です。しかし裏を返せば、内容次第で視聴立場にあります。「Z世代は全員広告が嫌い」ではなく、コンテンツの中身で判断しているのです。
なぜ即スキップされるのか
Z世代はデジタルネイティブとして、広告を瞬時に見抜く能力を持っています。企業ロゴや商品名が冒頭に表示された瞬間、「これは広告だ」と判断してスキップします。この判断にかかる時間は1〜2秒以内です。
コンテンツの中身を見てもらう前に、「広告か否か」の選別が行われています。つまり企業にとっての最初の課題は「良い動画を作ること」ではなく、「広告と判断される前に指を止めること」なのです。
最後まで見てもらえる動画の条件
LIHの調査では、最後まで視聴してしまう企業動画の特徴(複数回答)についても聞いています。結果は以下の通りです。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)

1位の「面白い・笑える」は2位を17ポイント以上引き離しています。視聴継続の決め手はエンタメ性であることが数字で裏付けられています。「役に立つ情報がある」は3位にとどまっており、情報訴求だけでは視聴継続につながりにくいことがわかります。
「裏側やリアルな雰囲気」が34.4%の意味
4位の「裏側やリアルな雰囲気が見える」が34.4%に達している点は見逃せません。Z世代は作り込みすぎた広告に違和感を覚えます。企業の素の姿・スタッフの日常・商品ができるまでのプロセスといった「リアル」なコンテンツが、Z世代の信頼を獲得しやすい傾向があります。
完璧に演出された動画より、少し粗削りでも本物らしさが伝わる動画の方が、Z世代には刺さります。これは「オーセンティシティ(誠実さ・本物らしさ)」を重視するZ世代の価値観と一致しています。
ショート動画が購買につながる:35.9%が購入経験あり

即スキップされるケースが多い一方で、見てもらえた場合の購買転換率は注目に値します。LIHの調査では、ショート動画がきっかけで実際に商品・サービスを購入・利用した経験がある人が35.9%に達しました。3人に1人以上が購買行動に至っています。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
この数字が示すのは、ショート動画が単なる認知獲得ツールではなく、購買導線として機能しているということです。「見てもらえれば購買につながる可能性がある」という前提に立つと、課題は「いかに見てもらうか」の一点に絞られます。
購買につながるショート動画の設計
ショート動画から購買につなげるには、動画単体で購買を完結させようとしないことが重要です。認知・興味喚起に徹し、詳細はWebサイトやLPへ誘導する設計が基本になります。
具体的には冒頭3秒で指を止め、中盤でエンタメ性を提供し、末尾でCTAを入れる構成が効果的です。「続きはプロフィールのリンクから」という誘導パターンが、Z世代向けショート動画では定番になっています。
Z世代のショート動画に刺さる3つの原則

LIHの調査データと競合分析から、Z世代向けショート動画で成果を出すための原則を3つに整理します。
原則1:冒頭1秒で広告っぽさを排除する
Z世代はコンテンツの冒頭で「広告かどうか」を瞬時に判断します。企業ロゴ・商品名・PR表記を冒頭に持ってくると即離脱を招きます。冒頭は問い・共感・驚きで始めるのが基本です。
「これ知ってた?」「やってみたら意外な結果に」「Z世代の46.9%がやってること」のように、コンテンツの中身に興味を持たせてから企業情報を提示する順序が、視聴継続率向上につながります。
原則2:エンタメ性を情報より優先する
視聴継続の1位が「面白い・笑える」(62.5%)である以上、エンタメ性優先の設計が求められます。
商品の機能説明より、商品を使ったリアルな体験や笑えるシチュエーションを切り取った動画の方が刺さります。

「裏側やリアルな雰囲気」が34.4%で4位に入っている点も重要です。素の雰囲気がZ世代の信頼を得やすく、作り込みすぎると逆効果になることがあります。
原則3:ショートと長尺・Webを連動させる
ショートで認知・興味喚起を行い、長尺動画やWebサイトで詳細を届ける役割分担が有効です。ショートを独立したコンテンツとして完結させるより、既存のWebサイトや採用ページへの誘導口として設計する方が、購買転換率が上がります。
LIHでは、ショート動画の企画・制作からWebサイトとの連動設計まで一貫してご支援しています。グループ累計3,000本以上(ショート動画屋さん実績)の制作実績を活かした提案が可能です。
Cross Talk:Z世代のショート動画、現場で感じること
出利葉(代表)
今回の調査で「即スキップが46.9%」という数字が出たけど、これはむしろ正直な数字だと思う。企業側が「ショート動画を作れば見てもらえる」という前提で作っている限り、この壁は越えられない。コンテンツの設計を変えることより先に、まず「見てもらう入口」の設計を変えることが大事だね。
相原(現場)
はい。「面白い・笑える」が62.5%というデータも、現場感覚と一致しています。エンタメ性を意識して作り直しただけで視聴継続率が大きく変わった事例は実際にあります。商品紹介を前面に出すより、商品を使った面白い体験を見せる方が結果につながりやすいですね。購買転換が35.9%というのも、見てもらえれば成果につながるという証明だと思います。
出利葉(代表)
「裏側やリアルな雰囲気が見える」が34.4%というのも興味深い。うちがショート動画制作で意識しているのもそこで、作り込みすぎるとZ世代には「広告っぽい」と判断されやすい。素材の良さや現場のリアルを見せる方が、信頼感につながることが多い。グループ累計3,000本以上の制作実績から見えてきた知見だね。
相原(現場)
ショートと長尺・Webの連動も重要で、ショート動画だけで完結させようとすると情報量が足りなくて購買につながりにくくなります。ショートで興味を持ってもらい、サイトへ誘導して詳細を伝える導線設計が、結果的に一番成果が出やすい流れだと思います。
よくある質問
Q. Z世代はショート動画を1日どのくらい見ているのか?
LIHの調査(n=66)では「1〜2時間」が32.8%で最多でした。「30分〜1時間」と「2時間以上」がいずれも29.7%で続いており、1日1時間以上視聴する層が全体の6割を超えます。Z世代にとってショート動画の視聴は、移動中・就寝前などスキマ時間の定番行動として完全に定着しています。(参照:株式会社LIH「Z世代のリアル調査」2026年7月)
Q. 企業のショート動画がZ世代にスキップされないためには何が重要か?
冒頭の1〜2秒が最も重要です。企業ロゴや商品名を冒頭に出すと「広告だ」と判断されて即スキップされます。「問い・共感・驚き」から始め、コンテンツの中身に興味を持たせてから企業情報を提示する順序が有効です。LIHの調査では「面白い・笑える」が視聴継続理由の1位(62.5%)であり、エンタメ性の確保が最優先課題になります。
Q. ショート動画は本当に購買につながるのか?
LIHの調査では、ショート動画がきっかけで商品・サービスを購入・利用した経験がある人が35.9%にのぼりました。3人に1人以上が購買行動に至っており、ショート動画はすでに有効な購買導線として機能しています。ただし動画単体での購買完結ではなく、WebサイトやLPへの誘導と組み合わせた設計が成果につながりやすいといえます。
Q. Z世代向けのショート動画はどんな内容が効果的か?
LIHの調査データから、「面白い・笑える」(62.5%)・「好きな人物が出ている」(45.3%)・「役立つ情報」(39.1%)・「裏側やリアルな雰囲気」(34.4%)が視聴継続につながる要素として挙がっています。特にエンタメ性とリアルな雰囲気の掛け合わせが、Z世代の信頼を得やすい傾向があります。完璧に作り込んだ広告よりも、素の雰囲気が伝わるコンテンツが刺さりやすいといえます。
Z世代に刺さるショート動画の制作・戦略設計をご検討の方へ
LIHでは、ショート動画の企画・制作からWebサイトとの連動設計まで一貫してご支援しています。グループ累計3,000本以上(ショート動画屋さん実績)の制作実績をもとに、Z世代に届くコンテンツ戦略をご提案します。